モロッコの絨毯

モロッコへ海外旅行にツアーで行くと、必ず立ち寄る土産物屋というのが決まっている。
マラケシュの場合は、皮なめしの染色場のところを見学しながら訪れる革製品の店と、ローズウォーターとかを売っている、通称「香辛料の店」と呼ばれている店の2カ所は必ずと言って行くように組み込まれている。

モロッコの絨毯その香辛料の店と呼ばれるところでは、まるで理科の実験室みたいなところに座らされて、店員がぺらぺらと面白おかしく商品を紹介して、お客はみんな笑いながらそれなりに納得して購入するパターンのところだ。

迷宮都市フェズでは、絨毯の店へ行くことが多い。その絨毯屋もかなりの経営センスの持ち主で、レストランを経営しながら同じところに絨毯屋を開いているというパターンが多い。
つまり、ツアーグループにモロッコの伝統的な料理を昼食に提供して、お腹もいっぱいになった頃を見計らい、食べていた場所の隣の間で、丸められいた売り物の絨毯をパーン、パーンと調子のよい音と共にどんどん広げていくのだ。
行程的には、ランチタイムには1時間以上はとってあるので、結局、ツアー参加者はみんな絨毯を見ることになる。

そして、モロッコのおもてなしの定番であるミントティーまでふるまわれる。絨毯屋は長期戦に持ちこもうとしているのだ。そう簡単にお客さんが購入するとは彼らも思っていない。彼らは決して焦らないのだ。
そうこうしているうちに、彼らの作戦にのせられてしまったのかどうかは分からないが、通常、数名は購入したりするので本当に驚いてしまう。

幾何学模様が素敵

大分、海外旅行市場で市民権を獲得してきたとは言え、まだまだモロッコと言ってすぐに場所が思い浮かぶ人はあまりいないだろう。
サハラ砂漠のある国だよというと、もうあの砂漠のイメージしかなくなってしまうらしい。

ところが、モロッコは訪れてみると分かるが、海あり山あり、砂漠もオアシスもあり、実に多種多様である。ちなみに雪だって降るのだ。
それはモロッコのお土産にでも言える。歴史ある建造物を訪れるとそのタイル細工のすごさに圧倒される。

モロッコの海イスラム教徒の国なので、基本、人物のものはないが、とても細かいタイル細工で草花や幾何学模様が床や壁に施されている。
そのタイルの小さな三角や丸の一片は、1つ1つ、職人が手作業で、たった1本の金槌で割って形作っているのだ。機械化の進んだ日本では考えらえないくらいの作業である。
他の銀製品にしろ、絨毯にしろ、アルガンオイルやローズウォーターにしろ、すべてがこのような手作業の逸品である。

そんな中で私が特に気に入っているのは、木材にカラフルな色でやはり幾何学模様や草花のペイントを施した調度品だ。高級ホテルの1室にも必ず1つか2つかは置いてある。
中でも、手ごろなお土産品として売られている壁につける鏡はお勧めだ。

縦25cm、横15cmくらいの大きさで、モロッコの豪邸などの門の形をしている。モスクの中のメッカの方向を示す壁の窪みであるミハラブの形と言った方が分かりやすいだろうか?
その鏡には観音開きの戸がついていて、常時開けておいてもいいし、使う時だけに戸を開けることもできる。素敵なインテリアの一品を担ってくれること請合いだ。